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Owners【2026年10月号】/8,9ページ

建築費が高騰する時代!「築20年超」から考える建物活用

物件が古くなると建て替えや売却を考える人も多いと思います。

しかし、建物は「長く活かすこと」が実は賢い選択になります。

時代に合う改良を施し空室を抑え高収益を実現する…。

今月はそんなノウハウをご紹介します。

キャッシュフローの谷は融資の返済期間の延長と高入居率の維持で対応

 

日本では住宅用の建物の法定耐用年数は木造22年、鉄骨造34年、RC造(鉄筋コンクリート造)47年と定められています。つまり税務上は、木造で22年が経過すると価値がゼロになる前提です。金融機関も、この考えを基に融資条件などを組み立てます。ただし、賃貸経営の実状はこれと異なります。

本来、建物が物理的に使用可能な期間や市場価値を保つもっと長く、私は木造で60年、鉄骨造で70年、RC造なら80年程度が目安になると考えています。賃貸経営を安定させるには、この建物の実働寿命を見据えた長期的なキャッシュフローの管理が鍵となります。

中でも注意すべきなのが、築20年前後に訪れる「キャッシュフローの谷」です。例えば物件を新築した場合、15年を過ぎたあたりから資金繰りが苦しくなります。その主な要因は、①経年による賃料の下落、②設備交換や修繕費などの増大、③借入金の利息分や減価償却費の減少により課税所得が増え、所得税の負担が重くなることの3点です。この「収入減・支出増・所得税増」が重なるのが築20年前後で「ここをどう乗り切るか」で賛否が分かれます。

とはいえ、この苦しい時期に直面し、安易に建て替えや売却を選択するのは得策ではありません。特に建築費が高騰する昨今、残債がある状態での建て替えはリスクを伴います。実は、この「谷」は適切な修繕と時代のニーズに応じた改良工事(リノベーション)で乗り越えるのが理想的です。理由は築30年を過ぎて当初の借入を完済できれば、収支が劇的に向上するからです。建て替えよりも適切な修繕で建物を長く活用する方が最終的な手残りは多くなります。

苦しい時期のキャッシュフローを改善する鍵は2つあります。ひとつは返済期間の調整です。金融機関と交渉し返済期間を延長できれば、月々の支出を抑え手元の資金を厚くできます。もうひとつは高入居率の維持で、常に魅力的な物件であり続けることが大切です。」

建物を長く活用できるかは「築年数」だけでは判断できません。建物の状態に加えて、今後の賃料、入居率、修繕費、借入返済などを踏まえ、将来の収支を確認することが重要です。上のシミュレーションでは、同じ建物でも入居率の違いによって、40年で手元に残る資金に大きな差が生じることがわかります。つまり、長期活用を考えるうえでは「あと何年使えるか」だけでなく、「将来にわたり、どの程度の収益を生み続けられるか」という経営面からの検証も欠かせません。成功するためには将来を見据えた現実的なシミュレーションを行い、それを踏まえた適切な運営ノウハウが必用です。


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アパマンショップオーナーズ【2026年10月号】

発行元:Apaman Network株式会社


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この記事を書いた人

らっしー

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記事を作りながら賃貸不動産について勉強中のアザラシ。

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