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Owners【2026年7月号】/20,21ページ

成約率が格段に上がる最強空室対策

 

築年数相応を前提にして貸主の責任範囲を明確化

今回は、激安な賃貸物件を入手し貸し出す際に不可欠な特約について、お話ししたいと思います。地方の築古戸建てや激安アパートなどを手に入れ運営している大家さんにとって、特約は入居募集を行う際の重要なポイントです。激安な賃貸物件は、利回りだけ見るとよく見えます。地方であれば、確定利回り20%超えなども普通に存在します。しかし、実際に運営すると分かるのですが、ちょっとした修繕で利益が吹き飛ぶケースも珍しくありません。一般的に激安物件は、家賃設定も安価だからです。しかも激安物件では「新しいエアコンを設置して欲しい」「ここを修繕してもらいたい」などの要求が入居者様から出やすく、トラブル対応のコストとの戦いになりがちです。そのため賃貸借契約書の特約が重要なのです。なかでもポイントになる特約として、次の4つが挙げられます。

 

 

①築年数相応の状態を前提に貸し出すための特約

例えば「本建物は築年数が相当程度経過しており、建物本体、床、建具、配管等に歪み・劣化・不具合が生じる可能性があることを賃借人は了承する」そして、「賃借人は築年数を踏まえ、新築同様の性能・品質まで回復させる修繕義務を負わない」といった趣旨を明記しておきます。多少の建具のズレ、床なり、見た目の古さなどを織り込んだ上で貸し出すわけです。その代わり家賃は安い…これが基本だと思います。

②設備を残置物またはサービス品とする特約

例えばガスレンジ、照明、温水洗浄便座などが該当します。これらについて「残置物またはサービス品であり、賃貸人は修繕・交換・撤去義務を負わない」と明記します。理由は、激安な賃貸物件で一番収支を壊しやすいのが設備故障の頻発だからです。特に家賃2万円台や3万円台の物件では、最初から残置物またはサービス品として明記しておくことが重要です。

とはいえ、私が実践している「家具家電付き物件」で、家賃を相場より高く設定している場合は話が変わります。このケースでは設備が「おまけ」ではなく、賃料の対価の一部になっているからです。そのため「壊れたら貸主が修理・または交換する」というのが道理です。つまり、「家賃の安さで勝負している物件なら免責特約を強める」「家具家電付きで付加価値をプラスし、高く貸し出しているのなら設備責任を貸主が負う」のが基本になります。

 

 

③小修繕については借主負担とする特約

電球やパッキンといった消耗品の交換や軽微な調整借主負担にするための特約です。この時に勘違いしてはいけない点が「小修繕は全て借主負担」と明記しても、入居者様が「大規模修繕まで行う義務を負うわけではない」ということです。例えば、入居者様に屋根の葺き替えや外壁の修繕などを要求できるわけではありません。

④現況有姿での引き渡しと軽微な不具合の容認

①でも述べましたが、築古の激安物件には多少の傾き、隙間、傷みなどがあります。これらを完璧に修繕して貸し出すと激安物件では採算が合いません。そこで「本物件は現況有姿で引き渡す」「賃借人は築年数相応の不具合を了承の上で賃借する」といった趣旨を明記します。

もちろん、特約で明記したからといって、なんでも免責できるわけではありません。例えば「雨漏りがひどくて住めない」「建物の基本構造に関わる重大な不具合がある」などの場合は、放置してはいけません。築年数に応じたレベルで、居住に支障が出ない範囲の修繕は必要です。

とはいえ、建物を新築同様まで直す義務はありません。激安物件での賃貸経営は「安価な家賃で住んでいただく代わりに、ある程度現状を受け入れてもらう」ビジネスです。成功ポイントとしては「過剰なリフォームを避ける」「募集家賃を欲張らない」「入居審査を甘くしすぎない」などが挙げられますが、一番重要なのは「特約で守る」ことです。「物件をどういう前提で貸すか」「貸主はどこまで責任を持つか」「設備はどういう扱いにするか」などを特約で明確にすることが大切です。


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この記事を書いた人

らっしー

らっしー

記事を作りながら賃貸不動産について勉強中のアザラシ。

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