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Owners【2026年6月号】/18,19ページ

新築アパート満室投資術

2022年の春、相続税に関する裁判で、最高裁の出した判決がニュースになりました。それは、節税目的で収益不動産を購入したことに対して、過度な相続税対策であると指摘、相続税が0円なのか否かを決定する裁判で、「認めない」という判決でした。結局、敗訴した相続人は相続税2億8000万円に加えて、過少申告加算税4300万円もの支払いを命じられたのです。

 

このケースでは、相続人は2012年に2棟のマンションを相続して、相続税額を0円として申告しました。内訳はマンション2棟を合わせた相続税評価額が3億3370万円ですが、マンション購入のための借入金による債務控除や基礎控除を勘案した結果、0円と申告したのです。しかし、これは相続税評価額ではなく、不動産鑑定評価額が適正であると国税当局が更生処分をしたのです。

 

 

それに対して、相続人は不服を申し立て訴訟をしたのですが、「過度な相続税対策」という結論となったのです。このケースでは、相続税評価と不動産鑑定評価との乖離が4倍ほどあったことと、被相続人がマンション購入したのは相続発生の3年前だったことがポイントとなりました。

また、相続開始後1年以内にマンション1棟を売却。さらに銀行稟議書に「相続税対策のためローンを実行し不動産を購入」と明記されていたのが、「相続税を意図的に圧縮することが目的」と見なされたようです。

つまり、

ということです。

亡くなる直前に借金をして不動産を買う、亡くなってすぐに売却して換金するというのはいけませんが、質の良いアパートを末永く持ち、後に家族へ継がせる考えであれば問題ありません。将来の重荷にならぬよう換金性のよい物件を持つのが理想ですが、継いだ側も亡くなってすぐに売却するのではなく、タイミングを見て行うのがいいでしょう。

 

 

都心の50坪を売却するのは地方の500坪の売却に比べて容易ですから焦ることはありません。東京の好立地はそもそも売りものが少なく、買えること自体がラッキーです。買主さんから感謝してもらえることもよくあります。

東京の都市部、そして郊外や地方が、20年後や30年後にどうなっているかを想像して比較すればいいのです。首都圏以外は今も人口が減り続けています。

相続において大事なのは「とにかく税金を安くしよう」という考え方ではありません。

税金のコントロールをしながら長らく賃貸経営をすることが前提となりますから、銀行や税理士の言いなりになって闇雲に借金をするのは反対です。なるべく早めに準備をして価値のあるものに変えて、しっかりと経営をするのが一番だと思います。


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アパマンショップオーナーズ【2026年6月号】

発行元:Apaman Network株式会社


 

相続税対策のアパートを持ったからといって、それでお終いではありません。評価を圧縮して相続のための準備はできても、長生きをしてアパート経営が順調に進めば、家賃がどんどん入ってきて利益が増え過ぎてしまうのです。嬉しいことではありますが、これでは節税対策になりません

そこで、アパートからの家賃の収入は子どもに入るよう、建物は子どもの名義にする方法もあります(詳しくは次号で解説します)。

利益は子どもがもらい、おじいちゃん・おばあちゃんには、お金が入らないようにするのがコツです。

 

税理士で知らない人もいるようですが、「無償返還の届出」を出すのを忘れないようにしてください。

無償返還の届出というのは、法人と個人もしくは法人同士の土地の賃貸借契約において、権利金の認定課税を避けることが可能になる手続きです。

 

 

提出先は土地所有者(貸主)の納税地を管轄する税務署で提出期限は具体的に決められていません。しかし実際には、賃貸借契約を締結した法人の確定申告書の提出期限までとするのが望ましいとされています。提出書類は「土地の無償返還に関する届出書」を貸主と借主の連名で出し、あわせて「賃貸借契約書」「土地の評価額明細」(各2部ずつ)も提出します。また契約をする貸主・借主も、控えを持っておきます。この届出をするだけで、土地代が8割くらいの評価になり安く済みます。届出をするかどうかで、人によっては、土地の評価が数千万円単位で変わってくるでしょう。契約内容は専門家と十分に検討することをおすすめします。


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