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ミスあってこその成長

アナログ vs デジタル vol.2

 

「ミスすることの需要性」

 

人間らしくあるのはアナログであると考えています。アナログであるほどミスが頻発するし、矛盾が生じたりします。しかし、その矛盾に新たな発見を生み出し、ミスから学ぶことができるのは人間です。ミスしたり、矛盾がおきるのは自然現象で、完全なデジタルの世界では生まれません。だから、デジタルな世界が構築されていく中で、より一層ミスすることが求められると思います。

 

 

 

 

例えば、空室の情報をもらって部屋を見に行きます。

鍵を手配して現地に行って、外観を見て、共用部の設備やゴミ捨て場・駐車場などの情報をチェックして、室内設備や清掃状況をチェックして、写真と動画とVR画像を撮って、お客様を案内した時のセールストークを考えて、それらをメモしてお店に戻って物件資料に落とし込みます。その資料に基づいてシステムに登録してネットにアップします。

 

 

 

新人の場合、ここでミスが出ます。

チェックもれや写真を撮り忘れるなどです。ウォシュレットは付いていたか、インターホンはTVモニター付きだったか、エアコンのコンセントは100Vだったか200Vだったか、追い焚き機能は付いていたかなど細かい部分について戻ってきてから店長や先輩スタッフに聞かれて確認不足に気付くのです。

そうすると2度手間ですが再度見に行きます。

しかし、間をあけずに2回見に行くと場所を覚えたり、部屋位置を覚えたり、鍵の形状を覚えたり、1回目には気付かなかった別のことに気が付きます。

 

 

ミスするというのは成長することです。挑戦すれば成功することもあれば失敗も必ずあります。挑戦した結果を精査して、デジタルな世界を生み出すことが重要であると考えています。そして、不器用な人ほどアナログな思考を持っていると考えていて、より重宝されていくのだろうと思います。

 

 

今この時代に重要なのはネットに載せるためだけのチェックボックスについてのみを見てくるのではなく、現場に行った人しかわからない情報を得ることです。

わかりやすいのは音や暑さ寒さ、匂いや雰囲気、街並みなどです。細かいところではクロスの種類や床材、建具の動き、住んだ時に置くベッドやテーブルの想定と動線などです。

ネット上でキレイに正確な情報が提供されていても、室内に蝶バエの死骸があれば部屋は決まらないのです。

 

 

 

「住宅はアナログです」

 

こういったミスの出来る新人時代を経験せずに物件情報の自動掲載に頼り、IT接客によりオンラインで入居希望者の対応をする営業マンが増えると、どうなるでしょうか?

ミスをすると言ってもデータ打ち込みの誤入力程度しか経験出来ず、物件を知ることなく見たこともない物件の契約をするのです。

 

こうなると、入居後のトラブルは全部オーナーに来ます

 

 

 

入居者はこれは聞いていない、入ってみたらこうだった、思っていたものと違うなど、充分な理解を得ずに契約がスタートしてしまうということが頻発することが予想されます。契約書には書いてあるかも知れません。物件資料には載っているかも知れませんが、入居者の不満は消せないのです。

飲食店で言えば、ネットで調べたお店に行ったけどサービスが悪かったから次から行かないとか、物販店で言えば、買ったもののサイズが合わなかったから返品するなどが叶いますが、賃貸物件はそうはいきません。

短期で出て行ってしまい、原状回復費用を負担したり、またそこからの空室期間のロスが出ますし、入居が決まっても広告料が出ていきます。

 

元々、住宅はアナログです。人の生活がそうであるように、全てのものをデジタルにすることはできないのです。人が住み始める時だけ、デジタルツールを使うことの危険性を知っておいていただきたいのです。

今後は電子契約が一般化する動きが進んでいます。ホテル予約のように賃貸マンションを契約出来る時代がすぐそこまで来ています。しかし、ホテルのようにそこで過ごす時間をサポートする「人」は賃貸マンションに置けません。

 

 

 

アナログ(人)を省き、デジタル(電子空室対策)だけを優先することは賃貸不動産オーナーにとって苦しい状況を招くことになると思うのです。

 

 

この記事を書いた人

のだなおき

のだなおき

賃貸不動産に関わる様々なジャンルについてお伝えします。

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